お茶を楽しむと必ず出てしまう「茶殻」。急須からそのまま捨ててしまうことの多い茶殻ですが、実は消臭効果や美容効果も期待できる優れものなんです。
美味しいお茶を飲み終わったら、一手間かけて茶殻を活用してみてください。最後までお茶を有効に使っていただくことで、さらにお茶の魅力を感じていただけることでしょう。今回は茶殻の再利用方法をご提案します。
茶殻にはたくさんの栄養成分が残っている
茶葉に含まれる栄養成分は大きく「水溶性」「脂溶性」の2つに分けることができます。代表的な栄養成分をご紹介します。
茶葉に含まれる水溶性の代表的な成分
- カテキン
- ビタミンC
- ビタミンB2
- アミノ酸
お茶の成分として代表的な「カテキン」には消臭効果のほか、抗ガン成分や抗アレルギー成分があるとされています。また美しい肌を作るのに欠かせない「ビタミンC」や「B2」、リラックス効果があるとされる「アミノ酸」が挙げられます。
水溶性の成分はその名の通り水に溶け出す性質を持っており、お茶そのものを飲むことで摂取できます。しかしお茶を出した後でも、茶殻の中には約7割もの水溶性の成分が残っているといわれています。
茶葉に含まれる脂溶性の代表的な成分
- 食物繊維
- ビタミンB
- ビタミンE
- クロロフィル
「脂溶性」の成分はもともと水に溶け出しにくい性質を持っているので、お茶を飲むだけでは十分に摂取することは難しいとされます。お茶を出した後の茶殻には、腸内環境を整えてくれる「食物繊維」や抗酸化作用のある「ビタミンE」など素晴らしい成分がたくさん残っているのです。
そのまま処分するのは非常にもったいないですよね。飲み終わった後の茶殻を有効活用してこれらの残った栄養成分までしっかり使い切ることをおすすめします。
茶殻の活用術 掃除や消臭、リラックス効果も
それではここからは具体的に茶殻の活用術をご紹介していきます。手軽にできるものばかりなので、ぜひお試しください。
茶殻の活用術01. 防臭・消臭剤にする
茶殻を再利用する上で、まずは試していただきたいのが消臭剤としての利用です。お茶の葉は匂いを吸収しやすいとされ、丁寧な保管が大切です。
そのような特性を持つお茶っ葉ですが、その消臭効果は茶殻にも残っているとされています。飲んだ直後の茶殻を魚焼きグリルに敷いたり、電子レンジで加熱することで庫内の匂いを吸収してくれるといわれています。
また茶殻をしっかり乾燥させてお茶パックに詰め、靴箱に入れたり冷蔵庫やパントリーに置いておくのも、消臭効果が期待できます。
茶殻の活用術02. 掃除道具にする
ご家庭内の掃除にも茶殻は役に立ちます。茶殻をお茶パックや布に包んでぎゅっと絞り、そのまま拭き掃除に使うのです。洗剤を使うことに抵抗がある部分の掃除にも安心ですし、消臭効果もあるのでシンクや排水溝、まな板、キッチン周りのお掃除にも愛用できますよ。
また湿った茶殻を畳や床に撒き箒で掃く掃除方法も古くから使われている活用方法。通常の掃き掃除では取り切れないような、小さな埃やゴミを濡れた茶殻が絡めとってくれるのです。畳の目や部屋の角もスッキリときれいにしてくれます。
茶殻の活用術03. 入浴剤にする
茶殻をお茶パックやガーゼに包んでお風呂に入れてみてください。成分や香りがお湯の中に溶け出し、入浴剤代わりにもなります。ビタミンCによる美肌効果、カテキンによるお肌の老化防止のほか、お茶の旨味成分でもあるテアニンによるリラックス効果も期待できます。茶殻は天然成分がたっぷり入った贅沢な入浴剤なのです。
茶殻の活用術04. 料理の材料にする
上でもご紹介したように、水に溶け出さない栄養分が茶殻にはたくさん残っています。皮膚を健康に保ってくれるビタミンAや、抗酸化作用があるビタミンEも脂溶性の成分です。
これらの成分を全て摂取するには、お茶として飲むだけでなく「食べる」ことが有効です。
乾燥させてごまや鰹節と混ぜてふりかけにしたり、おひたしにしたり、卵焼きに混ぜて焼くと手軽に食べることができます。調理につかうときは苦味の少ない新茶や玉露の茶殻がおすすめです。
茶殻の活用術05. 家庭菜園の肥料にする
茶殻は家庭菜園の肥料にすることもできます。よく乾燥させた茶殻を土に混ぜておくと茶殻に含まれるポリフェノールやお茶の香り成分により害虫が寄り付かなくなるとされています。
茶殻に残った栄養成分が土壌の質を改善させたり、茶殻と土が混ざり合い発酵して植物を生き生きと成長できるようサポートをしてくれます。
自宅でできる「乾燥茶殻」のつくりかた
上記で説明したようになにかと便利な乾燥茶殻ですが、実は自宅で簡単に作ることができます。
01. まず急須から茶殻を取り出したら水をよく切り、新聞紙やザルの上に広げます。この際、できるだけ薄く広げ重ならないように気をつけると早く乾燥しやすいです。
02. この状態のまま日光に当て、風通しの良い場所で天日干しします。天気の良い日なら数時間で完成です。
天日干しだと時間がかかりすぎるという場合は、電子レンジで加熱したりフライパンで炒ると時間を短縮できます。普段から乾燥茶殻を作っておけば、掃除や入浴剤などすぐに使えてとても便利です。早速今日飲んだ茶殻を天日干ししてみてはいかがでしょうか。
茶殻を再利用する時の注意点
水分が残っている茶殻は痛みやすく、カビの原因にもなります。せっかく脱臭や掃除の道具として利用したいのに、茶殻自体が傷んでしまってはもともこもありません。
乾燥茶殻を作る際は水分をしっかり飛ばすことが大切です。消臭剤を作る際にも、茶殻がきちんと乾燥したか確認してから包むようにしましょう。
茶殻を再利用して最後まで楽しもう
茶殻にはお肌や健康に嬉しい効果をもたらしてくれる成分がたくさん含まれていることがお分かりいただけたでしょうか。すぐに処分してしまいがちな茶殻ですが、お茶を飲み終わったらぜひ再利用を検討してみてください。
最初は少し面倒に思うかもしれませんが、手をかけてリサイクルした茶殻にはちょっぴり愛着が湧いてきます。美味しく飲んで、最後までしっかりと使い切る、サステナブルな生活の一部のお茶を取り入れてみてくださいね。