あなたがお茶を飲みたいと思うのはどんな時ですか?
ほっと一息つきたい時や集中したい時に、お茶が欲しくなる人も多いのではないでしょうか。自覚はなくとも、お茶に含まれている効能に期待をしているのかもしれません。
普段何気なく飲んでいるお茶は、体に作用する有能な成分がぎゅっと詰まっている優秀な飲み物なのです。
今回はお茶に含まれる成分による効能や、飲むと効果を発揮するおすすめのシーンをご紹介します。
お茶に含まれている効能
カテキン
カテキンは緑茶の茶葉に含まれるポリフェノールの一種で、大きな効能としては抗ウイルス作用や殺菌作用などが挙げられます。
他にも抗ウイルス作用やがん予防、血圧上昇抑制作用などの効能が期待できる成分です。日常的に緑茶を摂取することでさまざまな体の不調に対する予防や改善に役立つでしょう。
抗ウイルス作用
インフルエンザなどのウイルスは、人間の体内に入り込み特定の細胞に取りついて増殖します。しかしカテキンはこの体内に入ったウイルスが細胞に取り憑きにくい状態にする作用を持つとされています。
これによりウイルスは体内に入っても細胞内でうまく増殖できなくなります。結果としてインフルエンザなどウイルス系の体調不良の発症を防ぐことに繋がるのです。
抗菌・殺菌作用
カテキンはウイルスと同様に、細菌にも効果があるとされています。口内の細菌の増殖を抑制することで、O-157などの食中毒菌を殺菌する効果が期待できます。
また口内の虫歯菌を殺菌し口臭の原因を取り除いたり、虫歯自体を予防することも可能です。風邪だけでなく、あらゆる細菌に対して効果があるのです。
カフェイン
覚醒作用
カフェインには覚醒を高める作用があるとされ、眠気を取り除いてくれます。集中力を高めたい時に緑茶を飲むことで眠気を感じにくくなるでしょう。
高い湯温で淹れることでカフェインがしっかりと抽出されるので、集中したい時は熱めのお湯で淹れるのがおすすめです。
カフェインの血中濃度は摂取後30分から2時間ほどで最大になるといわれていますので、集中したい時間を逆算して飲んでみるのもいいかもしれません。
ちなみに影響の出方は人それぞれですが、夜にカフェインを摂取することで眠れなくなってしまう人もいますので夜間に摂取する場合は注意しましょう。
利尿作用
カフェインには腎臓の血管を広げ、血液濾過量を増やす働きがあるといわれています。これにより、腎臓で尿の生成量が増えトイレが近くなってしまうことがあります。
体内に溜め込んだ水分が排出できるのでむくみ改善に効果的ですが、摂取しすぎないように注意しましょう。
特に玉露などカフェイン含有量の多いお茶は利尿作用も強くなる傾向にあります。利尿作用に悩んでしまう場合はカフェイン含有量の少ないほうじ茶や番茶、緑茶なら水出しがおすすめです。
ビタミン類
抗酸化作用・美肌効果
緑茶にはビタミンC、βカロチン、ビタミンE、葉酸などのビタミン類が含まれています。特にビタミンCが豊富で、玉露1杯(100g)あたり、約19mgものビタミンCが含まれています。
体内の活性酸素を押さえ老化を予防したり、紫外線を浴びることで増えるメラニンを抑制したりコラーゲンの破壊を防ぐ効果があります。
通常熱に弱いビタミンCですが、緑茶に含まれるビタミンCは熱に強く壊れにくいといわれています。
それは、同じく緑茶に含まれるカテキンに「熱からビタミンCを守る」という働きがあるとされ、カテキンを含まない他の野菜などに比べ、カテキンを含む緑茶のビタミンCは熱から守られやすいためです。他の飲み物に比べ、ビタミンCを摂取しやすいのはありがたい特徴ですね。
こんな時には一杯のお茶がおすすめ
ダイエットのサポートとして
ダイエットにも緑茶はとても有効とされています。ダイエットを始める際は、まず普段摂取している水分を緑茶に置き換えて過ごしてみてください。
たまに飲むのではなく、生活の一部に組み込んでしまうことがポイントです。緑茶を毎日摂取することで、体内環境を改善し痩せやすい体をつくる手伝いをしてくれるでしょう。
カテキンが脂肪の蓄積を抑制
緑茶に多く含まれる「カテキン」は、食後の血糖値の上昇をおさえる作用があるとされています。血糖値が上がるとインスリンが分泌されるのですが、血液中の糖分を脂肪に換えて体内に蓄積させる働きを持っているホルモンなのです。
カテキンはこれを阻止してくれるというわけです。食事と一緒に飲んだり、食後に1杯緑茶を飲むのがおすすめです。
カリウムとカフェインがむくみを改善
またダイエットでは脂肪を燃焼すると共に、体に溜まっている水分を排出することも大切です。緑茶を飲むことで、むくみ解消に役立つ「カリウム」が水分を体外に排出するサポートをしてくれます。
また「カフェイン」が交感神経を優位にさせ、基礎代謝を高めてくれます。利尿作用もあるのでカリウム同様、むくみ改善にも効果があるといわれています。
1杯の緑茶でこれだけダイエットに効果が期待できる成分を摂取できてしまうのは嬉しいですね。
風邪っぽい時や免疫力を高めたい時に
カテキンで殺菌効果
強い抗酸化作用と殺菌作用で免疫力を上げることができるといわれています。カテキンを含む熱いお茶を飲むことで口内が殺菌されるのです。
ちなみにお寿司屋さんで熱い緑茶を提供するのも、このカテキンの殺菌作用により、なまものの食中毒を防ぐためといわれています。
ビタミン摂取で風邪予防
風邪予防のためにも緑茶を飲むことをおすすめします。緑茶には免疫力を高めるためのビタミンCがふんだんに含まれています。
ほとんどのビタミンCは水に溶けやすく熱にも弱いのですが、緑茶に含まれているものは熱いお湯の中でも壊れる心配がありません。寒い季節に温かい飲み物からビタミンCを摂取できるのは嬉しいですね。
また、乾燥が気になる季節には喉を潤すだけでもウイルスや細菌の付着を予防して風邪を防ぐことができます。温かいお茶をボトルなどに入れて持ち歩き、外出先でひとくち喉を潤すのもおすすめです。
リラックスしたい時に
テアニンが自律神経を整え睡眠の質を向上
慌ただしい日でもお茶を飲むとなぜかホッとする、という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。これは緑茶にふくまれる「テアニン」という成分の効果によるものだと思われます。
テアニンにはストレスによる自律神経の乱れを抑えてくれる効果があり、忙しい仕事の合間や緊張する会議の前に摂取すると脳をリラックスさせてくれます。脳がリラックスすることで頭がクリアになり集中力もアップするでしょう。
睡眠の質を向上させてくれる効果も期待できるので、結果的に免疫力の向上にも繋がるのです。
緑茶の旨味成分でもあるテアニンは、低めの温度で抽出しても十分に成分がお茶の中に出てきます。
高い温度で淹れると覚醒作用のあるカフェインも抽出されてしまうので、リラックスしたい時は60度前後の少しぬるめのお湯で淹れるか、もしくは水出し緑茶がおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?今回は緑茶の成分と効能、緑茶が効果的なシーンをご紹介しました。
風邪の予防からリラックス効果、ダイエットまで緑茶による効果はとても幅広いものです。
またそれぞれの症状に合わせた淹れ方や、お茶の種類があることもご紹介しました。
カフェインの含有量やお湯の温度など、自分のスタイルに合わせて工夫して淹れてみてください。より一層効果的に成分が摂取できるようになるはずです。
1杯の緑茶の中にたくさんの成分が凝縮されており、日本に昔から伝わる「天然のサプリメント」といっても過言ではないでしょう。
心や体のケアのためにも、まずは緑茶を一杯飲んでほっと一息ついてみるのはいかがでしょうか?