今までにない抹茶と素材のこだわりに挑戦。「京はやしやの抹茶ノエル」開発者へインタビュー!
- インタビュー
- 2021.11.16.
昨年、大反響をいただいた、京はやしやクリスマスケーキ。今年は全国の皆さんに京はやしやのクリスマスケーキを楽しんでいただくために、オンラインでもクリスマスケーキを販売いたします。
その名も「京はやしやの抹茶ノエル」。美しい抹茶のグラサージュに包丁を入れると、鮮やかな8層のムースとジュレが登場。一口食べれば、今まで食べたことのないような抹茶とスイーツの新しい味を感じられること間違いありません。
今回は、「京はやしやの抹茶ノエル」の企画担当である、京はやしや・パティシエの宇佐美さんにインタビューを実施。
宇佐美さんから、「京はやしやの抹茶ノエル」のこだわりや開発秘話を、たくさんお話ししていただきました!
取材・文/根本 理沙(株式会社Lipple)
※掲載情報は2021年11月時点のものです。
京はやしやの抹茶ノエル
昨年、大変ご好評をいただきました「サンタのクリスマスケーキ」は、京はやしや 晴海直売所限定でのお取り扱いでした。
多くのお客さまからいただいた反響にお応えし、、今年は、全国のお客さまに京はやしやのクリスマスケーキを召し上がっていただけるよう、オンラインショップ限定のクリスマスケーキを特別にご用意いたしました。
冷凍でもできたてのような食感を味わっていただけるよう、素材から作り方まで、すべての工程一つひとつにこだわりました。
全国どこでも京はやしやのケーキをお届け
昨年、大変ご好評をいただきました「サンタのクリスマスケーキ」は、京はやしや 晴海直売所限定でのお取り扱いでした。
多くのお客さまからいただいた反響にお応えし、、今年は、全国のお客さまに京はやしやのクリスマスケーキを召し上がっていただけるよう、オンラインショップ限定のクリスマスケーキを特別にご用意いたしました。
冷凍でもできたてのような食感を味わっていただけるよう、素材から作り方まで、すべての工程一つひとつにこだわりました。
8層から織りなす和と洋のハーモニー
抹茶の美しいグラサージュに包まれたケーキに包丁を入れると、8層に重なった、ムースやジュレがお目見え。京はやしやのパティシエが何度も試行錯誤を行い、抹茶と最高の組み合わせができあがりました。
京はやしやの抹茶「千代の白」を使用した艶やかなグラサージュの下には、たっぷりのアーモンドが入った抹茶のビスキュイジョコンド。そして、いちごのジューシーさと風味を感じられるジュレ、ムースと続き、柚子とパッションフルーツのクリームで味わいにアクセントを与えます。
できたての味わいをご自宅で
できたての味わいをご自宅でも楽しんでいただけるよう、解凍してもおいしく召し上がれるような工夫を施しました。 使用する素材は冷凍・解凍を行っても、風味や食感が変わらないようなものを使用。配合する分量や素材同士の掛け合わせも、冷凍・解凍してお召し上がりいただくことを前提として、絶妙なバランスで調整しました。
いちごや柚子、パッションフルーツのムース、さくさくしたフィアンティーヌなど、今までなかった素材と抹茶との組み合わせに、新たな抹茶の美味しさに発見していただけるケーキに仕上がりました。
「京はやしやの抹茶ノエル」のコンセプト を教えてください。
今回オンラインショップで販売する「京はやしやの抹茶ノエル」は、「抹茶好きのためのクリスマスケーキ」と、「全国どこでも食べられるクリスマスケーキ」の2つをテーマにしています。
まず、「抹茶好きのためのクリスマスケーキ」ですが、京はやしやはもともとお茶屋さんです。クリスマスケーキも、ちゃんとお茶屋さんがつくっているものだと知ってもらうには、やっぱりお茶屋としてこだわっている「抹茶」にこだわるべきだ、と考えました。
今回、晴海直売所で販売しているケーキと、オンラインショップで取り扱っているケーキは、合わせて3種類。そのどれもが、異なる抹茶を使用しています。全種類、ケーキのコンセプトや素材に合わせて、抹茶を選定・配合しました。
抹茶スイーツ好きのお客さまに、ご満足いただけるようなクリスマスケーキに仕上がっています。
「全国どこでも食べられるクリスマスケーキ」昨年は、晴海直売所限定で販売していたのですが、そのクリスマスケーキが大変好評だったんです。ただ、中には遠くにお住みのお客さまから、食べたいけれど現地には取りに行けないというお声をいただくこともありました。
それなら、今年はオンラインショップでもクリスマスケーキを販売しよう、と社内で声が上がり、オンラインショップ用の冷凍ケーキを販売する運びになりました。
京はやしやの抹茶を使った、特別なクリスマスケーキを全国の皆さんに食べていただけたらとても嬉しいです。
今回の「京はやしやの抹茶ノエル」に関しては、味だけでなく見た目など、企画の段階で私が中心となって考えさせてただきました。
もともと晴海直売所で販売しているスイーツの企画を考えたりしてきたので、その流れで今回のクリスマスケーキも担当させていただいたという感じですね。
最終的にはほかの社員や社長にもアイデアをいただいたりして、何度も試行錯誤してとても良いものが出来上がったと実感しています。
「京はやしやの抹茶ノエル」はオンラインショップで取り扱うクリスマスケーキ。冷凍で配送することになりますので、フルーツを使うことはできません。
絶対に使えないというわけではありませんが、解凍した時に水が出てしまいますし、食感も悪くなってしまうため、ケーキとの相性はあまり良くないのです。食べた時に、味も食感も良いものを追求していきました。
見た目についても、配送時になるべく崩れない、でもクリスマスケーキの豪華さを感じられるようなデザインを目指しました。シンプルではありますが、クリスマスっぽさも感じられる、素敵なデザインになったと思います。
「京はやしやの抹茶ノエル」のこだわりを教えてください。
抹茶好きのためのクリスマスケーキがコンセプトなので、抹茶の味はしっかり感じられるようにしたいと考えました。ですが、抹茶だけを感じる味ではあまり面白みがないので、いろいろな味や食感を楽しめるよう工夫しました。
一番は、やはり、「8層」に重なっている中身ですね。抹茶ケーキといえど、今まで食べたことのない抹茶を味わってほしかったので、抹茶とあらゆる素材を組み合わせて層にしました。
個人的におすすめなのが、パッションと柚子のムースです。和的な味を感じられるように、柚子を隠し味的な要素として入れてみました。抹茶とパッション・柚子の酸味が意外と合うんですよ。すごくおいしいので、ぜひ試していただきたいです。
下にはザクザクとしたプラリネと、ダックワーズがあり、味だけでなく食感も楽しめます。
切った時の断面もとても綺麗なので、見た目も楽しんでいただきたいですね。見た目の濃い緑色と、切った時に見えるいちごのムースやパッションフルーツ・柚子のムース、プラリネとダックワーズの色のコントラストがとても綺麗です。
8層にしたそれぞれの素材は、何度も試行錯誤してできあがりました。いちごのムースの上に、いちごのジュレがあるのですが、いちごの果肉も一緒に入れています。普通のジュレで試食した時に、もっといちご感を出したいなと思い、いちごの果肉も入れてみました。
その下にあるパッションと柚子のクリームも、いろいろな味のムースを試してみました。パッションのムースにした時に、+αで和の要素も入れたいなと思い、柚子を追加しました。
柚子って、少しの量でも十分香りや味を感じられるんですね。なので、柚子の風味の調整は結構難しかったですね。何度か微調整を行うことで、かなり工夫を重ねました。
抹茶は、「千代の白」という京はやしやの抹茶を使用しています。千代の白は、すっきりとした味わいが楽しめて、さらに鮮やかな緑色をしているので、グラサージュの色が綺麗なんですよね。
ムースの中にまろやかな味わい、コクのようなものを出したくて、ホワイトチョコレートを合わせました。抹茶の苦味の中に、こくとまろやかさを感じられます。
8層というのも、あまりみないですよね!最初の頃は、いちごのジュレ、いちごのムース、その下にフィアンティーヌとダックワーズを重ねるくらいでした。
試作を重ねていくうちに、この要素を入れた方が味のバランスがいい、あの要素をここに入れると見た目的に綺麗になる、など、考えていくようになり、結果的に8層で落ち着きました。自分で作っていて、あれ、8層もあるんだと思いました(笑)とても贅沢にできあがったと思います。
8層の順番にもこだわっています。甘味、抹茶の苦味、酸味、抹茶の甘味、食感、チョコレートやアーモンドの甘味・香ばしさと、全ての素材と抹茶が美味しく食べられる順番になっていいます。
縦にフォークを入れて、一気に召し上がっていただけると、「京はやしやの抹茶ノエル」を一番美味しく感じられると思います。
冷凍したものを解凍して食べる、ということも想定しながら作っていきました。解凍すると水分量が増えるので、水分が多いと舌触りが悪くなってしまうんですよね。また、水分量の変化よって味のバランスが悪くなってしまうのは避けたい。
そのため、解凍しても影響がないように、素材の選定や配合などの調整はかなり考えました。
例えば砂糖って、多く入れると解凍した時の離水を防ぐ効果があるんですね。だけど、あまり入れると味が甘くなってしまう。そのため他の素材で味のバランスを調整しました。
ムースも、解凍した時に滑らかさを失わないようなバランスを考えて配合しています。
「京はやしやの抹茶ノエル」の制作で、印象的だったエピソードを教えてください。
まず、見た目のデザインをどうするかというのは悩みました。クリスマスケーキなので、華やかにしたいと思いつつも、冷凍配送でいかにお客さまに綺麗に届けるか、壊れずに届けるか、という部分をクリアできるかというのは何度も試行錯誤しました。
フルーツを盛れば、華やかで綺麗になるというのはありますが、フルーツはのせられない、というのは最初の段階で決まっていました。
じゃあ他に何をのせようかと考えた時、どうしてもチョコレートに考えがいってしまいますが、チョコレートは割れやすいし・・・と、いろいろな考えが浮かんでは消えてを繰り返していました。
今回のデザインのイメージは、京都の竹から、トナカイが空に向かってかけていて、その上に広がる惑星(赤と緑の丸いチョコレート)をイメージしました。
実は最初のデザインから大きく変わっています。サンタをのせてみたりしたけど、やっぱりちょっと違うかなと思ったり・・・
ファミリー向けというより大人っぽい感じにしたいというのもあったので、華やかでありつつもシンプルなデザインに仕上がりました。
あとは、試作はかなり重ねましたね。味の構成は、とことんこだわりました。いちごムースやジュレ、パッションや柚子のクリームなど、どこか一部分を変えると、全部仕上げた段階で味のバランスをみないと完成しないんですね。
今回のクリスマスケーキは、一部分を味見しても全体的な構成がわからないケーキだったので、1つのパーツを直したら一度すべて作り上げて試作して・・・という繰り返しが大変でした。
夏くらいから2ヶ月ほどかけて、ようやく完成したんですね。バッチとハマった時は、できた!完成した!という達成感がありました。
「京はやしやの抹茶ノエル」の、おすすめの食べ方を教えてください。
やっぱり、8層の部分が一番のおすすめポイントなので、そこを味わっていただけると嬉しいです。抹茶がメインなので、抹茶を味わってほしいというのもありますが、抹茶とムースやジュレ、ダックワーズと一緒に食べてもらって、今までに食べたことのない感じを体験してほしいです。
抹茶を合わせられる素材って限られているかなと思っていましたが、今回、パッションと柚子を入れてみたら、一緒に食べた時にすごくおいしかったんですね。今までにないところの味を感じられて個人的にもすごく驚きました。
抹茶スイーツの新たな発見をしてほしいと思っています!
あとは京はやしやのクリスマスケーキなので、お茶なども合わせて飲んでいただくともっとおいしさを味わっていただきたいです。ケーキ自体に、甘さも苦さもしっかりあるので、緑茶は絶対に合いますし、ほうじ茶もいい感じにスッキリするかなと!
私はあまりお酒が得意ではないのですが、シャンパンと一緒に合わせてもおいしいかもしれませんね。特別な日にシャンパンを飲んで、一緒にケーキも食べても美味しいと思います。
お酒は香り付け程度に入っていますが、抹茶の苦味もあるけど、ホワイトチョコレートも入っているので、ちょっと甘い感じもあります。大人や子ども、ファミリー層など、幅広い人に楽しめると思います。
お客さまへメッセージをお願いします。
クリスマスにしか食べられない限定ケーキなので、ぜひこの機会に食べていただきたいです!
抹茶と8層のムースやジュレなどの組み合わせは、今までにないような味わいになっていますので、家族や恋人、お友達で楽しんでいただければと思います。
クリスマスの特別な日に、新しい抹茶スイーツの組み合わせの発見をしていただいて、こんな味わいがあるんだ、と思って食べていただけたら嬉しいです!