TEA
今では全国的に有名となった「ほうじ茎茶」。
実は、京はやしや三代目・林屋新兵衛によって生み出されたお茶なのです。
煎茶を作る際、茶葉の茎は使用しないため捨てられてしまいます。三代目・林屋新兵衛は、捨ててしまう茎も活用できないかと、考え生み出されたのが、棒茶(ほうじ茎茶)でした。
当時、高級品として重宝されていた煎茶に対し、棒茶は庶民の人でも購入しやすく、瞬く間に家で飲むお茶として世の中に広まっていきました。
金沢市内で販売し始めたため、金沢のほうじ茶の7割は朝かおりだったといわれています。
ほうじ茶=朝かおりといわれるほど、多くの人々に親しまれていました。
そして、現在もその味は変わらずに受け継がれています。
えぐみが少なく、甘味・旨味が引き立つ味わいは、ご年配の方からお子さんまで美味しく召し上がっていただけます。
葉と茎は、火入れに適した温度が違います。
味にばらつきが生まれないよう、できる限り茎を選別し、火入れをしています。
製造する時の茎の状態によって、熱の入れ方や時間を調整。
朝かおりの変わらない美味しさを守るために、製造する度に製法を少しずつ変えています。
直火式で深めに焙煎した、見た目も黒っぽいほうじ茶です。
とてもすっきりとした香りが特徴で味わいもさっぱりとしています。何倍でも飲める定番のほうじ茶。
朝かおりを入れる前に、茶器(急須と湯呑み)にお湯を少し入れ、温めます。
茶器が温まったら、お湯を捨てましょう。
温まった急須に、朝かおりの茶葉を3g入れます。
小さじ山盛り1杯分くらいが目安です。
熱々の熱湯を、100cc注きましょう。およそ湯呑み1杯分の量になります。
熱湯を注いだ後は、蓋をして30秒蒸らしましょう。すっきりした味わいに仕上がります。
渋めの味を楽しみたい場合は、45秒がおすすめです。
蒸らし終わったら、湯呑みに一気にお茶を注ぎましょう。
2煎目、3煎目も同じ入れ方で、美味しく飲めます。
クセのないすっきりとした味わいになるので、夏場の常備茶としてお楽しみいただけます。
水出し用のボトルを用意しましょう。今回は、380ccのボトルでの抽出方法をご紹介します。
水でゆっくりと時間をかけて抽出するため、茶葉は少し多めに6g入れましょう。
水を注いだら、冷蔵庫へ入れて冷やしましょう。
前日に仕込むと、翌日に美味しく飲めます。
飲む前に、1、2回、ゆっくりと混ぜてから、グラスへ注いでください。
茶葉の味わいが均等に広がります。
※注意:ペットボトルのお茶のように防腐剤などが入っていない生茶なので、作ってから翌日には飲み切るようにしてください。
すっきりした味わいのほうじ茶なので、どんな場面でもおいしくいただけます。朝起きかけの1杯に、休憩の1杯に。お食事の飲み物にもぴったり。
和洋中どんな食事にも合わせやすく、スイーツのお供にもおすすめです。
水出しにすると、さらにすっきりとした味わいに。
暑い時期は水出しもお試しください。
桑原善助商店 茶師
桑原 秀樹氏
茶師
桑原 秀樹氏
昔は、お茶に使われるのは茶の葉のみで、茎は処分されていました。しかし、茎にも栄養分や旨味があるため、焙じてみたらどうかと茎を利用したのが、ほうじ茎茶の始まりです。元祖フードロス削減の商品かもしれませんね。
熱々のお湯でいれるのもよし、水出しでさっぱり飲むのもよし。淹れ方にこだわらなくても美味しく飲めるので、みなさんのお好みでどうぞ。